その男は若い兄ちゃんでした。風がブービュー吹く佐鳴湖の湖畔で僕と机に向かい合って、のそのそペンを持って とろくさく何か書き物をしています。
脇では その上司と思われる人間が僕に向かって 「すみませんね。すぐ終わりますから」「のっぽさんってあの居酒屋さん?」「たいしたことないですから」など取りとめもないことをしゃべってニヤニヤしている。机をひっくり返したい衝動に駆られながらも、じっと平静を装う僕 駐車場には続々と車が入ってくる。大渋滞だ。早くしてくれよ。。と心なしか いらいら。やっと終わって「どうもお疲れさまでした。」
車に戻って これ見よがしに 力いっぱいドアを閉める。
車内で のどがつぶれんばかりに 「ぎゃー うぉー」と雄たけび
力なくのっぽに帰ってきて 又、わめく僕
家に帰って 将軍から「どうしたの」「・・・・・・」
何も答えられなく 力なく 17Kオーバーの青紙を手渡す
のっぽでした。
ホモ界で絶対に人気の出そうな、恰幅の良いツヤっとしたおっちゃんは、まるで幼稚園児を諭すような口調でワタクシに28キロK点超えを告げました。先月初旬、微熱色の午後のことです。
でも最近のオマワリさんは、態度がとても丁寧ですね。上顧客さまへの扱いみたい。隣の机で同じようにキップを切られていた男性のように、不満を内出血色した目で叫ぶような蛮行はせず、ひたすらシオらしくキュ-トにさっさと手続きを終えた申し分のない自分の姿は高く評価したいです。心の中では、警察官のあどけない笑顔にわずかな殺意を抱いておりましたが。
なんてね、全ては自分が悪いざんす。罰金18000円。大事に使って下さい、国庫金。しくしく。